
下地処理の重要性|見えない部分こそプロの実力が試される
1.はじめに
床工事というと「仕上がった床の表面」だけに目が行きがちです。
ピカピカの床や美しい模様が注目されますが、実はその美しさや長持ちするかどうかを左右するのは、仕上げ材を貼る前の見えない工程=下地処理です。
この下地処理にどれだけ丁寧に手をかけるかで、床の寿命も仕上がりの良し悪しも大きく変わります。ここに職人の腕前と会社の姿勢が表れるのです。



2.下地処理をおろそかにするとどうなるか
どんなに高価な床材を使っても、見た目がきれいに仕上がっていても、下地がきちんと整っていなければ数年後に必ず不具合が出てきます。
- 剥がれ:床材や塗床が浮いてきてしまう
- 段差・沈み:歩いたときに違和感があり、転倒の危険にもつながる
- 仕上がり不良:波打ちやひび割れが表面に出てしまう
発注者や使う人から見れば「職人の技術不足」と受け取られ、クレームの原因となります。
場合によっては完成したばかりの床をすべて撤去してやり直しという大きな損失につながることも…。
つまり、下地処理の丁寧さがプロとしての評価と会社の利益を守る分かれ道になるのです。
3.プロが重視する下地処理の3つのポイント
大商では、次の3つを特に大切にしています。
① 平らさの追求
ほんの数ミリの凹凸でも、仕上がりに大きな影響を与えます。
複数の研磨機を現場ごとに使い分け、「目で見て平ら」ではなく「計測しても正確に平ら」を目指します。
② 接着力を高める準備
古い接着剤や汚れをしっかり取り除き、プライマー(接着の下地材)が最大限の力を発揮できるように整えます。
この見えないひと手間が、長持ちする床を支える力になります。
③ 環境条件の管理
下地に含まれる水分や施工時の湿度を測定し、条件が整うまでは施工を進めません。
「急いで仕上げたい」現場ほど、この管理を徹底できるかが職人の真剣さを示します。
4.大商の現場での取り組み
大商では、下地処理を単なる下準備ではなく「床工事の要」と考え、以下のような取り組みをしています。
- 環境への配慮:改修工事で既存の床をはがす際、コンクリートと床材を分別してリサイクル対応。
- 安全と品質の両立:集塵機や専用の研磨機を活用し、粉じんを抑えて作業員と周囲環境を守る。
- 品質の標準化:下地処理マニュアルを整備し、誰が作業しても一定レベルの品質を保証。
- 人材育成:若手や外国人スタッフに技術を体系的に伝える「下地処理学校」構想を進め、技術の継承に力を入れている。
5.まとめ
床工事において本当に大切なのは、完成後に見える部分ではなく、誰の目にも映らない下地です。
下地処理はごまかしが効かないからこそ、職人の真価が問われます。
大商はこれからも、見えない部分にこそ徹底的にこだわり、技術を次世代へと引き継ぎながら、信頼される施工を積み重ねていきます。
👉 学生の皆さんへ:大商の仕事は、完成した床を「作る」だけではありません。
人の目に映らない部分を大切にする姿勢こそ、未来につながる仕事の誇りです。